多くの人が見逃す、本当にお得な建売の仕様
記事更新:2025/09/24
一般的に、建売住宅はコスト優先で検討されることが多いですが、実は少しグレードの高い建売住宅を購入するのが一番お得になることはあまり知られていません(価格は一旦度外視した純粋なコスパで考えた場合です)。
ご存知の方も多いと思いますが、建売住宅は担当者・設計者とプランの設計をしていく時間が省かれるため、価格を抑えやすいです。一方、注文住宅は希望の間取りやデザイン、グレードの高い仕様を実現できる一方で、打ち合わせの回数も多く一軒毎のオーダーメイドのため価格が高めになります。
この両者のメリット部分だけを掛け合わせたのが、ハイグレードの建売です。注文住宅でしか実現できないようなグレードの仕様が、建売特有の低コストで購入できるという、メリットしかない物件になります。
ただ、その希少性ゆえに市場に出てくる数も限られるため、出会える可能性が非常に低いです。その上、価格優先で絞り込んで検索される場合は、検索結果にも表示されないという非常に勿体無い状況が、知らぬうちに発生しています。
ただ、出会えたとしても希望のエリアではない、ライフスタイルに合った間取りや好みのデザインではない可能性もあるため、購入のハードルがかなり高くなってしまいます。しかし、もし理想の間取りに近い、デザインも悪くない、その上グレードの高い建売に出会えた時は、最高の物件と言っても過言ではないでしょう。
では、見逃すのが勿体無いとなる住宅はどんな仕様なのか?この記事では、最もお買い得な買い物をするための、建売住宅の選び方の一つの視点をご紹介したいと思います。
壁ではなく床下の24時間換気システムを採用
日本では、2003年以降に建築された住宅に対して、24時間換気システムを義務付けられるようになりました。これは、西洋型の住宅が増加する中で、シックハウス症候群の相談件数が増加したためです。
2003年以前の建物には24時間換気はありませんが、それ以降の住宅には必ず取り付けられています。一般的なものでは、吸気口がリビングに1つ、和室に1つ、2Fの各部屋の1つ設置されており、階段上部に排気口が1つ、浴室の換気扇を24時間換気の排気口として機能されるケースが多いです。排気口には必ずファンがありますが、種類によっては吸気口にもファンがあります。
あとは、窓のサッシ上部に吸気口を設け、トイレや浴室の換気扇を排気口として機能されるケースもあります。この仕組みに加え、住宅用建材の商品開発が進んだことで、シックハウス症候群の原因となる化学物質の発生そのものが少くなくなったため、近年はシックハウス症候群の相談件数も減ってきました。
シックハウス症候群の話は、これでめでたしめでたし、で終わります。問題はここからです。24時間換気システムの方法は一般的に壁で行うと紹介しました。しかし、中には床下で行う方法もあります。
この、24時間換気を壁で行うか、床下で行うかで、家の断熱性能が変わります。一般的な住宅は、基礎コンクリートと土台との間に通気性のパッキンを用いることで、床下が外気温に近い状態となります。その上、壁に吸気・排気口の穴がある。この状態では、壁の穴から外気が直接入り、床下から外気の影響を受けやすいです。
一方、床下の換気システムを採用した場合は、基礎コンクリートと土台の木材との間は、気密パッキンを使用することで、空気の出入り口がなくなります。基礎コンクリートの内側は断熱材を使用することで、床下空間に対する外気の影響を大きく軽減させます。
また、換気を床下で行うため壁に穴が開きません。吸気口と排気口は基礎コンクリートの壁面に設け、この部分も隙間を無くす処理を行うため、外気が直接入ることはありません。なお、床下の24時間換気を行う際は熱交換を行い、室内の冷暖房を行なった空気温度を再利用します。
例えば、夏に外気温35度の空気を取り入れた際、室内の冷えた26度空気の温度を再利用し、27度台の空気を室内に取り入れます。一般的な壁での換気システムだと外気が直接入ってきますが、熱交換を行うことで冷暖房効果の損失を最小限にすることができます。
とくに冬場、床下が外気温の影響を受けると底冷えします。底冷えを体験されたことがある方も多いと思いますが、床下が冷えるか冷えないかで体感の快適さも大きく変わるので、壁に穴を開けず外気温を直接取り込むことがない床下の24時間熱交換換気システムが導入されていれば、より快適な生活が実現できます。
ちなみに、床下ではない場所で24時間熱交換換気が行われているケースもありますが、床下が一般的な通気させる仕様になっていると断熱性の効果が半減しますので、その点も気になるポイントです。
制振ダンパーを採用+耐震等級3
一般的に、住宅の強度を示す方法として耐久等級があります。
等級1:建築基準法の基準で、震度6強~7の地震で倒壊しない耐震性
等級2:建築基準法の1.25倍の耐震性避難所となる建物の基準
等級3:建築基準法の1.5倍の耐震性消防署や警察署等、防災拠点の基準
基本的には、等級の数が大きくなるにつれて地震に対して強い家になります。しかし、2016年に発生した熊本地震では耐震等級2であっても倒壊する住宅がありました。これは、1階と2階の壁・柱の重なりが少ない間取り、つまり“直下率低い”間取りでは被害が大きかったことや、地盤と地震の揺れ方の相性により揺れが大きくなる共振現象が発生したことなど、いくつかの要因もありますが、等級2だから安心と言い切れないことを熊本地震で突きつけられた形となります。
ですが、熊本地震でも等級3の住宅は被害が小さかったこともあり、消費者からは耐震等級3を希望する人が増えました。同時に、住宅会社も耐震等級3の取得、または耐震等級3相当で設計するケースが増えており、耐震に関する意識は年々高まっているのが現状です。
ただ、耐震がしっかりしていても常に不安が残るのは事実です。そこで、より一層の安心・安全を得られるよう制震ダンパーを採用されている住宅を検討したいです。制震ダンパーは、世代によっては効果が薄いものもあったりしますが、もし私が今から家を建てるとしたら必ず採用したいのがKダンパーです。
Kダンパーは堅牢性が高いため、震度5程度までは通常の耐震性能を発揮します。震度5以上の地震になると、稼働するダンパー部分が揺れを吸収し住宅が大きく揺れることを軽減してくれます。
熊本地震の説明時にも触れましたが、共振動が発生すると等級3の建物でも倒壊の恐れがあります。共振動とは、「緩い地盤」と「地震の揺れ」が悪い意味で相性が良くなり、地震の揺れを加速させてしまう現象です。理論的には最悪の条件が重なると耐震等級3であっても倒壊するため、等級3に加えて制震ダンパーで対策されていると注目ポイントとなります。
もちろん、私達が生きているうちにそのような地震を体験するかどうかは不明です。ただ、熊本地震のように震度6〜7の地震が短期間に繰り返し発生するなど、常に想像以上の被害をもたらしてきた日本の地震を、侮るわけにはいきません。車のシートベルトと同じく、被害の可能性が0でない限り、できる限りの対策をしておきたいものです。
パネル工法が採用された耐震構造の建売住宅
一般的には、上の写真のように柱や梁に対して外壁下地用耐力面材を貼り付けていき、釘を数十本使用し固定します。この方法でも、十分な強度が生まれますが、連続した地震を受けると釘が緩み、地震に対する耐震性が弱まっていきます。しかし、柱と柱の間に頑丈なパネルを埋め込むパネル工法なら地震の揺れに対して弱くなる箇所がないため、高い耐震性を維持できるのが特徴です。
パネル自体は木材で組み上げますが、断熱材を一緒に組み上げるため高い断熱性能も確保できます。先ほど紹介した制震ダンパーは揺れを軽減する仕様でしたが、パネル工法は耐震性をより強化した仕様です。
地震の揺れに対するアプローチは全く違いますが、どちらも地震に対して高い強さを発揮できるため、もしこの両者が建売で販売されていたら、必ず購入リストに入れることをオススメします。
日射遮蔽が計算された十分な軒がある
太陽の光というのは、暖房器具と同じぐらいの熱量があります。そのため、夏の暑さを避けるポイントは、窓から太陽の光が入ってこないようにすることです。ただ、窓の性能が上がったことやコストカット、デザイン性の影響で、最近は軒がない家が多くなっています。
ただ、いくら窓の性能が良くなったとは言え、太陽の熱量をカットできるのはおよそ30〜50%程度です。太陽の熱量を100%遮断できるなら、その方が家の中は涼しくなります。そして、太陽の熱を遮断するためには軒の存在が重要になります。
デザイン性を考えると良し悪しではなく好みの問題になります。ですが、機能性を考えると十分な軒を設けて夏の太陽の光を遮るのが理想です。これを日射遮蔽と言いますが、画像にもあるように夏の太陽の光は約70度になるので、この角度まで軒があることが重要となります。
最近の家は断熱性能も高く、窓の性能も高くなってきたので、カーテンを閉めてエアコンをつければ十分快適に暮らせることができます。ただ、太陽の熱量は暖房と同じぐらいなので、窓際で暖房をつけながら冷房をつけると考えると、電気代を無駄に消費してしまうことが想像できると思います。また、
●外壁の汚れを軽減
●雨漏れのリスク低減
など、家を長持ちさせるためにも軒を設ける方がいいです。逆に軒がないことでのメリットは、
●デザイン性
●軒がないことで広く設計できるため空間を確保しやすい
●敷地ギリギリに建てられる
●コストカットができる
という面もあります。ただ、建築時のコストカットよりも長期的なメンテナンスや修理のコストの方が大きくなるケースが多いです。軒がないことのデメリットは近年徐々に解消されつつあるとは言え、軒があった方が結果的に長持ちしコストも抑えられます。とくに拘りがないのであれば、軒が十分に確保されている住宅を選ぶのがベストです。
アウターシェードが採用されている
先ほどご紹介したように、軒があることでメリットは大きいので、なるべく軒を設けるのが理想です。しかし、様々な要素を検討した結果、軒が十分確保できない(又は確保しない)と判断された場合に有効なのがアウターシェードです。
アウターシェードとは、窓の外側に取り付ける太陽の光を遮るシートです。太陽の熱量を約88%カットできることから、近年は注目されています。ただ、建売住宅で採用されているのは5年ほどこの業界に居ても見たことがありません。注文住宅では採用されるケースがありますが、もしアウターシェードがついている建売住宅を見つけた際は注目です。
可能性があるとしたらおそらくモデルハウスの販売になると思いますので、軒やアウターシェードの有無などをチェックしてみてください。
水回り設備のグレードが高すぎない
キッチン、トイレ、お風呂等の水回り設備は、グレードが高ければ良いというものでもありません。その理由としては、使い勝手が劇的に変わるわけではないからです。明確な目的があり、そのために選択した商品が高いグレードだったなら何も問題はありませんが、水回りのグレードは標準的なものであれば問題ありません。
むしろ、丁寧に施工されているか、トイレはTOTOか等の方が注目したいポイントになります。実際にあった話ですが、キッチンのリフォームをした直後から水洗の給水部分から水漏れがあり、即交換対応となったケースもあります。
つまり、グレードが高い設備であっても雑に施工されていると不具合を生じる可能性があるということです。見極めるのは難しいと思いますが、気をつけて見ておきたいポイントでもあります。
硬質吹付けウレタンフォームが採用されている
夏は涼しく、冬は暖かい室内空間を実現するために、断熱性能の向上は必須です。断熱性能の向上は、柱と柱の間に断熱材を敷き詰める方法が一般的ですが、その材料は様々な種類が存在します。一般的には、
グラスウール
硬質吹付けウレタンフォーム
発泡系パネル
といったものがあります。この中でも、硬質吹付けウレタンフォームは柱や面材に付着することで気密性を確保することができます。
外側から柱に向かって貼り付けた面材に、室内側から液体を吹付け、発泡した状態が上の写真です。その場で発泡するため、面材はもちろん両端の柱にも隙間なくピッタリくっついているのが分かると思います。この隙間なくピッタリくっつく特性が重要な理由は、いくら断熱材を敷き詰めても隙間が多ければ効果が半減してしまうからです。
その他の断熱材は、人の手で施工していくので施工技術も求められ、気密シートを貼るのが理想です。しかし、建売住宅で気密シートを貼っているケースも少ない上、隙間が増えて効果が低下する可能性があります。
そこで、仮に低コストを売りにした建売住宅であっても、硬質吹付ウレタンフォームが採用されていればそのメーカーの技術者が来て施工を行うため、隙間なく確実に断熱材が埋まるということになります。
細かいことまで触れると床面まで気密シートを貼るのが理想ではありますが、せめて壁面だけでも硬質吹付ウレタンフォーム仕様の建売を選ぶことで、断熱性能が担保されるため注目したいポイントです。
気密性に気を配っている、または吹付断熱+床下24時間換気を採用している
先ほど、断熱材の隙間について触れました。この隙間のことを、住宅業界では「気密性(c㎡/㎡)と言い、気密性の数値が小さいほど気密性能が高いということになります。
一般的に、隙間があれば外気が直接入ってきて冷暖房効果が低下します。また、24時間換気の計画換気が妨げられ、一時的に空気の換気が上手くいかない空間が発生する可能性が出てきます。
建売住宅で気密性まで配慮された住宅を見ることはほとんどありませんが、モデルハウスを販売される場合は気密性に気を配っているケースが多いため、注目のポイントです。
また、前半で紹介した床下24時間換気システムを採用し、硬質吹付ウレタンフォームを採用していれば、天井、壁、床下の隙間が無くなるため、効率よく気密性と断熱性が高くなります。
最後に:値引きされたモデルハウスが一番お得
ここまで、注目したいポイントをご紹介しましたが、その中で何度か記事内で触れたように、使用されたモデルハウスが販売される時に購入するのが一番コスパがいい買い物になるケースが多いです。
ただ、モデルハウスは初期の販売価格が高い傾向があるので、ある程度値引きされたタイミングで購入できるのがベストです。もちろん、値引きされる前に誰かが購入するケースもあるので、そこは駆け引きとなります。
都合よく自身が望むエリアに、いいタイミングでモデルハウスが販売される可能性はかなり低いですが、もし出会うことができればぜひ検討してみてください。
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