地震対策なら耐震+制震で揺れを最小限に

南海トラフ地震のイメージ

 

2024年1月1日、石川県の能登半島で震度7の地震がありました。この能登半島地震に加え、2011年の熊本地震でも注目されたのが、繰り返し起こる地震で家の耐震性が落ちるケースです。繰り返す地震により釘やネジ類が緩んで耐震性が落ち、その後に大きな地震で倒壊してしまうというケースが実際に起こっています。

 

そして、近年太平洋側のプレートで大きな地震が起こる確率が高いとされており、これを南海トラフ地震と言います。南海トラフ地震も東日本や能登半島と同じく震度7の地震が発生し、被害にいたっては20〜30倍とも言われています。

 

地震大国である日本では、近い将来発生するであろう南海トラフ地震をはじめ、震度7の地震が度々発生することでしょう。そこでこの記事では、耐震性を上げる方法と、繰り返し起こる地震の影響と対策についてご紹介します。

 

釘やネジ類が緩む対策は可能か?

面材と筋交い

家を建てる時、多くの柱と梁で骨組みを作っていきます。そして、その骨組みを頑丈にするために、柱と柱の間に“筋交い”という斜めの木を入れるか、柱と柱に耐力面材という頑丈な板を貼り付けていきます。どちらの方法も頑丈になるので耐震性が上がりますが、近年は家の外周部に面材を、内部に筋交いを使うことで耐震性を上げるのが主流です。

 

ただ、この工法では冒頭で触れた“繰り返す地震”でビスや釘が緩んでいきます。また、一定の力までは耐えますが、耐えれるレベル以上の力が加わることで、ヒビが入ったり筋交いが折れたりします。

 

耐震・制震・免震

そこで重要になってくるのが、地震の力をダイレクトに伝えない工法です。これを制震・免震工法と言います。耐震とは地震に耐える力ですが、制震は地震の揺れを吸収する、免震は地震の揺れを建物に伝える前に吸収するという工法です。

 

免震は一般的にビル等で使われる工法で、住宅では耐震+制震という工法が主流ですね。

 

 

耐震✕制震のKダンパー

制震工法を行うには、制震ダンパーというものを柱と柱の間に入れていきます。制震ダンパーもいくつか種類がありますが、弊社で依頼いただいた際には画像のKダンパーを推奨しています。

 

このKダンパーは、震度5程度までの地震では耐震として機能し、震度6以上の大きな地震の際は揺れを吸収する制震として機能する仕様です。耐久性が高く劣化加速試験は169年相当と、気温に左右されず高い機能を長年発揮してくれます。

 

震度6以上の地震で変形が最小限に抑えられるということは、ビスやネジの緩みも最小限に抑えられ、一定の耐震性が保たれるということです。制震機能があれば耐震機能も維持されるため、制震機能の有無で大きな差が生まれます。

 

また、地盤の硬さと地震の揺れ方、家自体の揺れ方がピッタリ合ってしまうと大きな揺れを引き起こす“共振現象”が発生しますが、制震ダンパーは建物の揺れを抑えてくれるのでその影響もある程度避けることができます。

 

制震ダンパーを導入したから100%安全と言い切ることはできませんが、地震発生時に構造へのダメージや被害は大幅に減少させられます。

 

今から家を建てるなら、制震ダンパーかモノコック構造か

モノコック構造

先程は制震ダンパーをご紹介しましたが、他にはモノコック構造にするという選択肢もあります。これは、柱と柱の間に頑丈なパネルを入れて固定するというもの。この構造はとても頑丈になるため、従来の方法で建ててしまった場合、大きな地震がきたらコンクリートの基礎と建物を固定している部分が抜けてしまうほど頑丈になります。

 

なので、コンクリート基礎と建物を固定する部材も通常のものより頑丈なものを使用します。

 

 

この記事を書いている筆者自身も、今から家を建てるなら制震ダンパーの採用か、モノコック構造にするパネル工法のどちらかを採用したいですね。

 

ぜひ、今からお家を建てる方はご検討いただければ幸いです。

 

 

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